超能力? スプーン曲げ

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超能力などの超常現象には懐疑的な私だが、はまっていた時期もある。
それは自称超能力者のユリ・ゲラー来日をきっかけに、日本中が超能力ブームに沸いていた頃だ。

「超能力少年」が続々と現れ、スプーン曲げを披露していた。
ユリ・ゲラーが時間をかけて念を送ってスプーンを「切断」していたのに対し、少年たちはスプーンを空中に放り投げて一瞬で「曲げて」みせた。
凄い時代だった。
何か新しい世界が開ける前触れではないかと浮足立った。

そんなある日、とある超能力少年(確か小学生だったと思う)を招いてデモンストレーションしてもらう小さな集会に参加した。
気がむいたら技を披露してもらい、合間に参加者が雑談しているだけの、なんともお気楽な会だった。

私は誰にも内緒で事前にスプーンを購入しておいた。 それをさりげなく少年に渡し、また雑談に戻る。
少年はしばらくスプーンをもてあそんでいたが、突然ポーンと床に放り投げた。
見るとスプーンはまっすぐなまま。「なんだあきらめて放り投げたのか」と思ってガッカリしたが、すぐに異変に気付いた。

それが写真のスプーン。
180度ねじれてる。

実はスプーンを手でねじる技もよく知られている。
まず直角に折り曲げてからねじり、まっすぐに戻すのだ。
しかしそうするとどうしてもイビツなねじれ方になる。
これは見ての通り綺麗にセンターを軸に対称形にねじれてる。

少年はずっと人目につく場所でスプーンをいじっていたが、その間、目を離さず観察していたわけではない。
また、熟練すれば、曲げたりねじったりを繰り返して対称形にすることも可能かもしれない。
しかし子供が人目をごまかして短時間でそんなことができるのか?

スプーンは私が買った品である・・・たぶん。
少なくとも同一の製品には違いない。
近所の店で買った品なので、事前に同じ品を買っておいて、ペンチやら万力やら使って入念にねじっておいたという可能性もゼロではないが。

そんなわけで、超常現象にはまるのをやめて、懐疑派を自称するようになった今でも、この1本のスプーンの謎は解けず、ずっと心に引っかかっているのでありました。

「レッドタートル」 before 「この世界の片隅に」

2016年の劇場版アニメーション。
君の名は。」が大ヒットし、
この世界の片隅に」がネットの話題を独占する一方で、
ほとんど話題にも上らなかった「レッドタートル ある島の物語」。

大変な傑作だったのではないかと、いまさらながら思う。
今思い出しても、パソコンで文字を打つ手が止まり、映画の世界に引き戻され、涙腺が緩んでくる。

ほんの気まぐれで、さほど期待せずに見に行ったら、大当たりだった。
最初は先入観で、自然の素晴らしさ・動物愛護・環境保護とかを訴える映画かと思ってた。
そのようなメッセージ性は全然なかった。

一応ジブリ映画なんだけど、まったく異質。

どこがどう素晴らしいのか、説明に困る。
まず映像が美しい。
ほとんどのシーンは淡々とした島での日常生活。
ただし(内容は書かないけど)その発端に非日常的な怪異というか神秘現象がある。

あれ?
これって「この世界の片隅に」にもそのまま当てはまるじゃないか。
「この世界…」もメッセージ性を廃し、戦時中の一般庶民の日常生活を美しい映像で淡々と描く映画だった。
怪異で始まるのも同じ。
すずと周作を結び付けた人食い鬼の存在だ。

あまりに淡々と日常が続くので、観客は冒頭の怪異のことを忘れてしまう。
しかし(ちょっとネタバレだけど)最後にまた怪異は蘇るのだ。 両作品とも。

(あ、「この世界…」は中盤にも座敷童(?)が登場したっけ)

非日常的な神秘の存在によって、日常のリアリティがさらに際立っている。

そうか!
これは我々の人生そのものじゃないか!
我々も「誕生」という神秘でこの世に生を受け、
淡々とした日常を過ごし、
「死」という神秘で去ってゆく。
・・・なーんてね。

そんなわけで、とっくに公開終了してる「レッドタートル ある島の物語」だけど、機会があったら是非見てください。


蛇足:
序盤に、ほんの数秒だけど、非常に怖いシーンがあって、映画館で「ひっ」と軽く悲鳴を上げてしまった。
閉所恐怖症ぎみなので。
同様の人は覚悟しましょう。

「ノーベル委員長がボブ・ディランを批判」という誤報

ノーベル委員長ペール・ベストベリィ(Per Wästberg)氏が、ボブ・ディラン氏について「無礼で傲慢だ」と批判した・・・と報じられた。
ノーベル文学賞に選ばれたボブ・ディラン氏が沈黙を続けている(2016,10,23現在)ことについて、スウェーデン公共放送STVのインタビューに答えたものだ。

これがどうも誤報らしい。
しかも2段階の誤りらしい。

 

日経新聞は一番「深い」誤報である。
ディラン氏は「無礼で傲慢」 ノーベル賞選考関係者 :日本経済新聞

> スウェーデン公共放送SVTのインタビューで「無礼かつ傲慢だ」と強く批判した


朝日新聞ではこう変わる。
「ボブ・ディラン氏は無礼で傲慢」ノーベル委員長が苦言:朝日新聞デジタル

> 「無礼で傲慢(ごうまん)だ。でもそれが彼ってものだ」と苦言を呈した。
「でもそれが彼ってものだ」と庇ってるので、批判のトーンはぐっと下がる。

原文はどうか?
英語メディアに当たってみよう。

GUARDIAN:
Bob Dylan criticised as 'impolite and arrogant' by Nobel academy member | Music | The Guardian

> “It’s impolite and arrogant,” said the academy member, (略)
日経と大差なく「無礼で傲慢だ」しか書いてない。
(二重引用符内の末尾が「,」で終わってるが続きはない)

NEW YORK POST:

> “One can say that it is impolite and arrogant. He is who he is.”
「無礼で傲慢だと言われるかもしれない。彼は彼である。」
まるで意味が変わってくる。
人々が批判することを牽制しているニュアンスである。

もちろん、「第三者の意見の形を借りた自分の意見だ」と深読みすることも可能だが、それは憶測にすぎず、文意ではない。
「彼は彼」の部分もニュアンスが掴みづらく、朝日新聞のように「でもそれが彼ってものだ」と訳すと庇ってる印象が強くなるが、「しょせんそういう奴さ」と突き放した訳も可能だ。

ところで原文は英語ではない。
スウェーデン公共放送STVのインタビューということは、原文はスウェーデン語であろう。

そのSTVのサイトがあった。

Dylan-raderade Nobelinfo: Oartigt och arrogant | SVT Nyheter

> Vad tänker du om att han inte säger något?
> – Nä, vad ska man tänka? Man kan ju säga att det är oartigt och arrogant. Han är den han är.

ふんふん、なるほど。さっぱり分からない。
しかし
"Man kan ju säga att det är oartigt och arrogant. Han är den han är." が
"One can say that it is impolite and arrogant. He is who he is." と同じであることは何となく分かる。
NEW YORK POSTの記事は信頼してよさそうだ。

まとめると、
第一段階の誤り:第三者の意見の推測として述べた「無礼で傲慢」が、本人の意見にすり替えられた。
第二段階の誤り:「彼は彼」の部分が削除されて、庇ってるニュアンスがなくなった。

ちなみに、
「誤訳だ!」
「これだから日本のマスゴミは!」
と反応してる人もいるようだが、誤報してるのは日本のメディアだけではないことは、上記GUARDIANの記事を見れば分かる。

アバカス(そろばん)ドライブ

http://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/robotics-hardware/sri-demonstrates-abacus-rotary-transmission

動きが面白い!

ビーズ(そろばんで言う珠(たま))が半径を変化させつつ、波打つ溝に沿って転がる仕組み。

「滑り」が起きてないのでエネルギー損失が少ないという。
(ミクロな滑りは起きてるのでは?という気もするが)

ハーモニックドライブ http://www.harmonicdrive.net/technology と比較してるけど、
むしろ「サイクロ減速機」 https://www.youtube.com/watch?v=4jHu1tnrsGQ に近いと思った。

 

メヒシバ

飾り気のないまっすぐな穂を持つ野草、メヒシバ。
日本的な侘び寂びにも合致するし、夏~秋の風物詩として、歌や詩に登場してもよさそうだけど、聞いたことないなあ。
それどころか厄介な雑草として嫌われてるらしい。
このシンプルな美しさが何故分からない!?

というわけでブログ始めてみましたが、どういう内容中心になるのか、ちゃんと続くのか不明。

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